本記事は、2021年9月1日に開催された Google の公式イベント「コラボレーションクラウドサミット」において、 Google の Google for Education マーケティング統括部長であるスチュアート・ミラー氏が講演された「 Google Workspace for Education と Chromebook で GIGA スクール構想を実現」のレポート記事となります。
今回は、日本政府が提唱している GIGA スクール構想に注目し、 Google の教育に対する考え方や取り組みについて、 Google Workspace や Chromebook などの具体的な IT ツールを交えながら、わかりやすくご紹介します。ぜひ最後までご覧ください。
なお、本記事内で使用している画像に関しては、コラボレーションクラウドサミット「 Google Workspace for Education と Chromebook で GIGA スクール構想を実現」を出典元として参照しております。
それでは、早速内容を見ていきましょう。
GIGA スクール構想の結果
GIGA スクール構想とは?
GIGA スクール構想とは、2019年12月に日本政府が発表した計画であり、生徒1人に対して1台の学習用端末と1つのクラウドサービスアカウントの普及を目指すものです。 ICT を活用することで教育の質を高め、教師や児童生徒の力を最大限に引き出すことを目的としています。
※引用:文部科学省「 GIGA スクール構想の実現へ」
Google の GIGA スクール構想への貢献
Google は GIGA スクール構想に役立つソリューションを提供しており、教育機関が導入しやすいようにパッケージ化しています。2020年2月に Google GIGA School Package というサービスをリリースし、端末やソフトウェア、研修サポートを一つに集約して展開しています。
GIGA スクール構想では、導入する端末やクラウドプラットフォームを各自治体が選定することになっています。そして、 Google は様々な活動を通して Google GIGA School Package を各自治体へ提案しています。
GIGA スクール構想におけるサービス導入状況
端末の観点で見てみると、全体の43.8%の自治体が、利用端末として Google Chrome OS を搭載した Chromebook を採用しています。 iPad OS や Microsoft Windows と比較して、高い導入率を誇ることをご理解いただけると思います。
次に、クラウド型の学習プラットフォームの観点では、全体の半数以上の自治体が G Suite for Education を採用していることがわかります。なお、2021年4月からは Google Workspace for Education としてブランド名が変更されました。
Google のサービスが選ばれる理由
MM 総研の調べによると、合計21つの評価項目のうち、 Google Chrome OS は14項目でトップの評価を受けています。例えば、セキュリティアップデートや運用コストへの配慮、データ漏洩へのリスク対策などが挙げられます。
その中でも特に注目すべきは、協働学習やコミュニケーション観点での評価です。 GIGA スクール構想は、児童生徒の対話的な学びにフォーカスしており、 Chromebook や Google Workspace for Education を使うことで、協働学習やコミュニケーションを簡単に実現できますし、教育者が生徒一人ひとりの成長を明確に管理することが可能になります。
このように、 Google の各サービスは GIGA スクール構想において高い効果を発揮するものであり、実際に多くの自治体で導入実績がある、という点を覚えておいてください。
Google が応援する教育
次に、 Google が教育をサポートしている背景や Google の目指す教育の理想像をご説明します。
Google のミッション
Google は「世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにすること」というミッションを持っています。 Google 検索をはじめとして、 Google が提供するすべての製品は、このミッションに向けて開発・改善が続けられています。
誰もがあらゆる情報にアクセスできる環境を整備することで、より簡単に多くのことを学べるようになります。そして、情報を活用した教育を通して、自身の可能性を広げるだけでなく、周囲のコミュニティをより良く改善することもできます。
Google の教育分野への貢献
Google Workspace for Education は学校教育に特化したソリューションです。 Google は世界中のどこに居ても質の高い学習環境にアクセスできることが重要だと考えており、その実現のためにツールやリソース、トレーニングなどを提供しています。
例えば、 Google Workspace for Education の中には Google Classroom というツールが内包されており、教室でできることをオンライン環境で実現可能なプラットフォームとなっています。世界中で1.5億人のユーザーが存在し、教育に使われている Chromebook は実に4,000万台にのぼります。
Google Classroom を導入している国は日本だけではなく、米国やカナダ、ニュージーランド、スウェーデン、オランダなどの教育先進国でも多く利用されています。
Google が提供するコアバリュー
Google は、教育者や児童生徒からのフィードバックを基にして、継続的にツールを進化させていますが、その中でも変わらない一貫したコアバリューが存在します。それが「 Helpfulness (役に立ちたい)」という概念です。
2021年、 Google の CEO ( Chief Executive Officer :最高経営責任者)であるサンダー・ピチャイ氏は以下のように述べています。
Google は、今後も人々の Helpfulness を体現するために進化を続けます。すべての教育リーダーをサポートし、すべての教育者や児童生徒にとって必要なツールを提供していきます。
そして、これらの相互接続された便利なソリューションを世の中に展開し、世界中の教育がより良いものになるよう、日々業務に取り組んでいます。
日本における GIGA スクール構想の現状
次に、日本における GIGA スクール構想の現状をご説明します。ここからは、ソリューションの選択や導入のフェーズから一歩前進し、活用や実践のフェーズに移行していきます。
教員研修( Kickstart Program )
Google は、 Google GIGA School Package を採用している自治体に対して、 Kickstart Program という研修プログラムを無償で提供しています。研修内容としては、教育委員会における運用管理のセットアップ支援や、教員の業務負担を軽減するためのスキルアップなど、様々なものが挙げられます。
以下、 Kickstart Program を受けた受講者のコメントです。様々な観点から、多くのポジティブコメントが寄せられています。
GIGA 特設サイト
Google は GIGA 特設サイトを設置しており、たくさんのツール利活用に関する情報や動画、マニュアル、コース、資料などを掲載しています。このサイトを活用することで、学習者のスキルやレベルに合わせて、最適な情報で学ぶことができます。
GIGA 特設サイトには、以下の QR コードから遷移できますが、文部科学省の StuDX というサイトから飛ぶことも可能です。ご興味がある方は、ぜひ一度覗いてみてください。
具体的なコンテンツの例として、活用ライブラリをご紹介します。これは、教育者が現場でどのようにツールを活用しているのか、という視点で、説明動画や資料などを集約している場所です。
科目や学年、テーマなどでカテゴリ分けされているため、自身にマッチするコンテンツを簡単に見つけることができます。中には、専門家の監修で作られた動画も多数存在するため、コンテンツの質はとても高いと言えるでしょう。
児童生徒向けのハンドブック
Google は教育者向けのコンテンツだけではなく、児童生徒向けの学習コンテンツも展開しています。児童生徒がツールの使い方を簡単に理解できるよう、シンプルなハンドブックを作成しており、多くの児童生徒から好評を受けています。
認定教育者トレーニングコース( Teacher Center )
Google は Teacher Center という教師向けのオンライントレーニングコースを提供しており、 Teacher Center を通して資格を取得することができます。
Google 教育者グループ( GEG )
Google には、 Google 教育者グループ( GEG ) と呼ばれるグローバルプログラムがあり、地域の教育者がオンラインやオフラインでの交流を通じて、効果的なテクノロジー活用に関する情報交換を行なっています。「先生を変えるのは隣の先生」という概念で作られた教育者主体のコミュニティとなっています。
毎週のように参加者が増えており、2021年8月10日時点では、35の都道府県で計64の GEG が存在しています。
Google が考える学びの進化
昨今、多くの自治体が試行錯誤しながら IT ツールの活用を進化させており、教育現場では、児童生徒が主体となる学びが実践されています。児童生徒同士のコミュニケーションやコラボレーションを通して、各児童生徒が自分の学びに積極的なモチベーションやオーナーシップを持ち、様々なことに挑戦しています。
現在では、 ICT の活用により、学びが明確に可視化されるようになりました。これにより、教育者が児童生徒一人ひとりの成長や成果を把握しやすくなっています。例えば、高知県では小中高をあわせて、子供たちの学びの成果をデータ化し、定量的に図るような取り組みが実践されています。
高知県は Google Workspace for Education Plus という特別版を導入してセキュリティを強化し、分析ツールを通して児童生徒一人ひとりの成長や学びを大切にしています。これは、全国の自治体にとっても、先進的で参考になる事例だと言えるでしょう。
まとめ
本記事では、日本政府が提唱している GIGA スクール構想に注目し、 Google の教育に対する考え方や取り組みについて、 Google Workspace や Chromebook などの具体的な IT ツールを交えながら、わかりやすくご紹介しました。
GIGA スクール構想の目的は、主体的・対話的で深い学びを実現することであり、実際に日本の教育の在り方は劇的に変化しています。将来、社会の一員として働く子どもたちには、 ICT スキルのみならず、問題解決やコミュニケーション、コラボレーションなどのスキルや豊富な経験が必要になります。そして、これらの要素が日本のビジネス社会の改革にも大きく影響すると言えるでしょう
このような新しい教育を実現するためには、 Google Workspace や Chromebook など、 Google が提供しているサービスが強い武器になります。ハードウェアやソフトウェア、スキルアップなど、あらゆる観点から教育者や児童生徒をサポートします。
本記事を参考にして、ぜひ Google サービスの導入を検討してみてはいかがでしょうか?
「日本の教育現場が変わる? Google Workspace for Education と Chromebook を活用した GIGA スクール構想の実現!」へのコメント
コメントはありません